はじめまして、鍼灸師の小宮麻友美と申します。私が鍼灸師になったのは、世の中で「眼精疲労」に苦しむ人々のケアを行いたいという思いからです。
今では、板橋駅前オアシスはり灸治療院の院長として日々、患者さんを治療できる程に、心身ともに気力にみちております。
しかし、これまでの歩みは決して順風なものではありませんでした。私は8歳の時に目に後遺症が残る大病を患い、以後「目の痛み・重度の眼精疲労」に悩まされてきました。
私自身、これまでに、幾多の療法を試しました。そのような中、鍼灸との出会によって、「眼精疲労で苦しむ私の人生」は大きく改善したのです。
精疲労が良くなれば人生が変わる、、、。少々、大げさな表現ですが、ひどい疲れ目・眼精疲労が原因で、私のように日常生活に支障を来している人は少なくありません。実際に、眼精疲労で苦しむ人々の症状は、とても深刻です。
目は心の窓と言われます。ひとたび目の調子が悪くなると、その方の人生は、どんどん閉ざされてしまいます。是非、鍼灸師の皆様が眼精疲労鍼の知識と技術を習得し、眼精疲労で悩む多くの患者さんのケアを行って下さい。
眼精疲労社会の到来
この20年で、私たちの日常生活を取り巻く環境は、激変しました。一番はスマートフォンの急速な普及です。電車に乗った時、乗客のほとんどがスマホを凝視ている光景は、今や珍しくはありません。
また、毎日明け方までゲームに熱中する若者や、SNSを常にチェックする大人など、あらゆる世代が目を酷使する時代です。眼精疲労が怖いのは、決して症状が目の問題だけに留まらないことです。肩こりや頭痛はもちろん、眼精疲労から自律神経を失調する人が急増しています。
さらに、世界的な感染症の蔓延によって、動画配信、テレワーク、リモート、VRなど「新しい生活環境」が登場し、世の中が急速に変わろうとしています。その結果、日本だけでなく世界中で「アイ・ストレイン(眼精疲労)」が社会問題になっています。
「眼精疲労のケア」は、新しい生活環境の「要」であり、最大の課題と言っても過言ではないでしょう。
これまでも、疲れ目・眼精疲労の患者さんに対して、目に関連した経穴に鍼を打つ鍼灸治療は、広く行われてきました。
一方で、眼精疲労の症状は非常に深刻で、多岐にわたります。従って、眼精疲労の治療は、絡み合い、複雑化した原因を解き明かしていくことが大切です。
眼精疲労は、目に基礎疾患がある場合はもとより、心身のストレスや自律神経の失調が大きく関わっている場合が少なくありません。
そのような眼精疲労の患者さんを治療するには、専門的な知識と技術、そして経験が必要です。
そこで、本書では前半を座学編、後半を実技編とし、治療の「組み立て」や「リスク管理」なども網羅しています。
あくまで入門書ですが、この一冊を熟読すれば、実際に眼精疲労の患者さんを治療できるようになる内容となっています。
最後になりましたが、本書を執筆・出版するにあたり、編集者や出版社の皆様にご尽力いただきましたことに感謝申し上げます。
